はじめに
「ATEM Miniを買いたいけど、種類が多くて違いが分からない」
「ProとISOって何が違うの?」
「現場で使うにはどれが便利なの?」
そんな疑問を持つ人は多いと思います。
ATEM Miniシリーズは、
無印 → Pro → Pro ISO → Extreme → Extreme ISO G2
とラインナップが豊富で、それぞれ用途や機能が大きく異なります。
僕自身、イベント現場や配信、舞台裏などでATEM Miniシリーズを複数台使ってきました。
その経験をもとに、この記事では各モデルの特徴と、用途に合わせた選び方を分かりやすく整理していきます。
ATEM Miniシリーズのラインナップ(2025年時点)
ATEM Miniシリーズは全部で5種類あり、主な違いは次の3つです。
- 入力数(4 or 8)
- 録画機能の有無(USB収録)
- ISO収録の有無(全入力の個別収録)
| モデル | 入力数 | 出力 | マルチビュー | 録画 | ISO収録 |
|---|---|---|---|---|---|
| ATEM Mini(無印) | HDMI 4 | 1 | × | × | × |
| ATEM Mini Pro | HDMI 4 | 1 | ○ | ○ | × |
| ATEM Mini Pro ISO | HDMI 4 | 1 | ○ | ○ | ○ |
| ATEM Mini Extreme | HDMI 8 | 2 | ○ | ○ | × |
| ATEM Mini Extreme ISO | HDMI 8 | 2 | ○ | ○ | ○ |
各モデルの特徴と向いている用途
■ ATEM Mini(無印)【在庫限り】


- シリーズの中で一番安い
- 個人配信や授業向け
- マルチビューなしが最大の弱点
- 2022年ごろに在庫限りで販売終了
向いている人
最低限のスイッチャーが欲しい初心者。
できるだけ安くスイッチャーを導入したい人。
■ ATEM Mini Pro


- マルチビュー対応で一気に実用的に
- USB収録も可能
- 配信案件で広く使える性能
向いている人
個人配信〜小規模イベントまで、幅広く対応したい人。
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■ ATEM Mini Pro ISO


- ATEM Mini Proの上位互換
- 全入力を個別に録画できる(ISO収録)
- 編集が必要な案件では非常に便利
向いている人
編集前提の収録・配信を行う人。
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■ ATEM Mini Extreme


※Extreme本体は所有していませんが、現場で扱った経験や周辺機材との比較からのコメントです。
- HDMI 8入力で構成の幅が広がる
- 物理フェーダーが使える
- スーパーソース搭載
- 出力が2系統
- 本体サイズは大きめだが、操作性は良い
- PGM/PST構成ではないため、業務用スイッチャーとしては物足りない場面もある
向いている人
複数カメ構成のイベントやパネルディスカッションなど、
入力が多い現場でコンパクトにまとめたい人。
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■ ATEM Mini Extreme ISO G2


- Extremeの全機能に加えてISO収録に対応
- XLR入力や物理フェーダーなど、より現場向きの仕様
- 編集・記録・配信のすべてに対応
- HDMI主体の現場なら、簡易的なATEM Television Studioシリーズの代替としても運用可能
- G2ではないExtreme ISOは、従来のExtremeにマルチ収録機能をつけたモデルなので注意
向いている人
配信・編集・複数カメの全てを1台で完結したい人。
コストを抑えつつも、本格的に現場でスイッチャー運用をしたい人。
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現場で使って感じたメリット・デメリット(リアルな話)
ここからは、実際の現場で使ってきた経験から感じたポイントをまとめます。
■ Pro / Pro ISOを使って分かった点
便利だったところ
- ISO収録は編集の自由度が高く、後からスイッチングミスを修正できる安心感がある
- 配信・収録用途としては性能十分
- マルチビューがあるおかげで画面管理がしやすい
気になったところ
- スイッチャー用途ではマルチビュー必須(無印は正直運用が辛い)
- MIC端子がミニジャックなので、現場用途には少し心許ない
- カメラ側でエンベッドした音は、状況によってごくわずかにホワイトノイズが乗ることがある
- そのため、配信なら外部のオーディオインターフェース(USB経由)を使う方が安定する
■ Extreme系で感じたこと(使用経験+現場観察)
便利だと思ったところ
- 物理フェーダーがあるので操作に迷いがない
- スーパーソースが強力で、合成構成の幅が広い
- HDMI主体の現場なら“完結しやすい”万能感がある
気になったところ
- 本格的な業務用スイッチャーのようなPGM/PST構成ではない
- SDI主体の現場だと変換器が増えるため、ATEM Television StudioシリーズやATEM SDIシリーズの方が向いている場面もある
■ ATEMシリーズ全体に言えること
- 音声はATEMに直接入れるより、オーディオインターフェース経由が安定
- StreamDeckと組み合わせると操作の幅が一気に広がる
(カスタムマクロ・ワンタッチのシーン切り替えなど)
用途別のおすすめモデル
| 用途 | おすすめモデル |
|---|---|
| 個人配信 / YouTube | ATEM Mini Pro |
| 編集前提(後で編集する) | ATEM Mini Pro ISO |
| 3〜5カメのイベント | ATEM Mini Extreme |
| 現場 + 編集 + ISO収録 | ATEM Mini Extreme ISO G2 |
| 最低限で試したい | ATEM Mini(無印) |
予算別のおすすめ
| 予算 | モデル |
|---|---|
| 3万円台【在庫限り】 | ATEM Mini(無印) |
| 48,980円 | ATEM Mini Pro |
| 82,980円 | ATEM Mini Pro ISO |
| 165,800円 | ATEM Mini Extreme |
| 332,800円 | ATEM Mini Extreme ISO G2 |
まとめ:結局どれを買うべき?
迷ったら次の基準でOKです。
- 個人配信 → ATEM Mini Pro
- 編集する → ATEM Mini Pro ISO
- 複数カメの現場 → ATEM Mini Extreme
- 配信も編集も全部やる → ATEM Mini Extreme ISO G2
ATEM Miniシリーズはどれを選んでも基本機能は共通ですが、
入力数・録画機能・ISO収録の3点で選ぶと失敗しません。


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