ATEM 系スイッチャーを使っていると、「切り替えが遅れる」「手が足りない」「Macro が分かりにくい」と感じる場面がどうしても出てきます。
特に現場は、
“一秒でも早く切り替えたい、でも押し間違えは絶対に許されない”
という緊張感があります。
そこで大きな力になるのが StreamDeck × Companion の組み合わせです。
僕自身、ATEM Mini / Mini Pro を触ってきた中で、
ATEM の Macro ではなく、Companion で全部操作するスタイル に落ち着きました。
理由はシンプルで、「わかりやすくて、押し間違えにくくて、現場で強い」からです。
この記事では、StreamDeck と ATEM Mini を連携して、
カメラ切替・Aux切替・Keyフェード・HyperDeck操作 までを
ひとまとめに扱える環境を、現場目線で紹介していきます。
1. StreamDeck で ATEM Mini を動かす考え方
ATEM の Macro がしっくり来ない理由
ATEM の純正 Macro は、慣れていないと感覚が掴みにくいです。
- どの操作が記録されるのか分かりにくい
- ちょっと直したいだけでも編集が大変
- 本番中にいじるのが怖い
僕の感覚としては、
「本番中に Macro を信用しすぎるのはちょっとリスク高いな」 という印象です。
Companion を使うメリット
そこで便利なのが Bitfocus Companion です。
Companion を使うと、
- ATEM の内部操作を“そのままボタン化”できる
- 何が起きるボタンなのか、パッと見て分かる
- 足りない機能(Keyフェードや Aux操作など)を補える
というメリットがあります。
特に、ATEM 単体ではやりにくい「Key のフェード」や「Aux の切替」 を
StreamDeck に並べておけるのが大きいです。
2. 僕がよく使う構成イメージ
ここからは、「こういうことを StreamDeck に乗せておくと現場で楽」という実例の話です。
細かい設定方法より、どういうボタンを用意しておくと楽か に絞って書きます。
カメラ切替(PGM)
まず基本はカメラ切り替え。
- CAM1(PGM)
- CAM2(PGM)
- CAM3(PGM)
- CAM4(PGM)
みたいに、よく使うカメラを StreamDeck に並べておくと、
ATEM本体よりも直感的に切替えやすくなります。
CUT / AUTO
- CUT(カット)
- AUTO(フェード)
もよく使うので、単独ボタンとして置いておくと安心です。
「CUTとAUTOだけは必ず同じ位置に置く」など、
自分の中でルールを決めておくと押し間違えが減ります。
3. ATEM ではやりづらい動きを Companion で補う
Key をフェードで出したい/消したい
ATEM Mini は、Key(クロマキーやロゴ)を
“ふわっと” フェードさせるのが得意ではありません。
Companion を使うと、
- Key ON
- Key OFF
- ゆっくりフェードアウト
のような動きもボタンで用意できるので、
ロゴ入れやクロマキーの ON/OFF を見せ方重視でコントロールしたいときに便利です。
Aux の切替(双方向配信でめちゃくちゃ重要)
双方向配信(オンライン登壇・リモート会議など)では、
相手に送る映像(AUX) をどう扱うかがかなり重要です。
これはATEM miniなどではできず、
会社にあるATEM Television Studio Pro 4Kを使用する際の設定なのですが
僕がよくやっていたのは:
- 相手に送る映像は「こちらのカメラ」
- それ以外のタイミングは「PGM(スイッチしたあと)」
というやり方です。
Companion で、
- Aux → CAM
- Aux → PGM
というボタンを用意しておくと、
「今は相手に会場の様子を見せたい」
「今は普通に PGM を返したい」
といった切替をワンボタンで安全に行えます。
ATEM Television Studio Pro 4K のように、
本体操作だけだと Aux が触りづらい機種でも Companion 経由ならかなり楽になります。
4. HyperDeck Studio HD Mini を StreamDeck で操作する
僕は HyperDeck Studio HD Mini を使って収録やリプレイをすることもあるのですが、
その操作も StreamDeck にまとめています。
よく置いているボタン
- ▶ 再生(Play)
- ⏹ 停止(Stop)
- ⏺ 録画(Record)
- ⏭ 次のクリップ(Next Clip)
- ⏮ 前のクリップ(Previous Clip)
「何秒戻す」といった複雑なリプレイではなくても、
- 一度止めて
- 少し前のクリップを再生して
- また通常に戻す
といった運用ができれば、
配信現場としては十分“リプレイっぽいこと”ができます。
こういった HyperDeck 系のボタンは、
誤タップを避けるために一番下の段に固めておく と安心です。
5. 配置で一番大事にしていること
僕が StreamDeck を使う上で一番意識しているのは、
「押し間違えが起きない配置にする」 という一点です。
そのために意識していることはシンプルで、
- 必要なボタンだけに絞る(なんでもかんでも置かない)
- 左から順に “よく使う順” に並べる
- HyperDeckなど「重い操作」は下段に固める
- 似た役割同士は近くに固める(Aux系、Key系など)
というくらいです。
“凝ったレイアウト” よりも、
自分が一番迷わない並びにすることの方が、現場では圧倒的に大事だと感じています。
6. Stream Deck + のダイヤルでできること
もし Stream Deck + を使うなら、
ダイヤルは「細かい調整」に向いています。
- BGM の音量
- 特定ソースのレベル
- 一部ソフトの操作
ATEM との直接連携は限られますが、
音周りや PC 側のソフトと組み合わせると、
“キーボタンは大きな操作、ダイヤルは微調整” という分担ができて便利です。
7. まとめ
- ATEM Mini の操作は、Companion × StreamDeck を組み合わせると一気に楽になる
- 純正 Macro がしっくり来なくても、Companion なら直感的にボタン化できる
- カメラ切替・CUT/AUTO・Aux切替・Keyフェード・HyperDeck操作まで、すべて一つの面にまとめられる
- 配置は「押し間違えないこと」を最優先にして、必要なボタンだけ並べるのがおすすめ
ATEM Mini を使っていて
「もう少し楽に、確実にオペしたいな」と感じていたら、
StreamDeck と Companion の組み合わせはかなり心強い味方になってくれるはずです。


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