イベントや配信の現場で最も多いトラブルの1つが、「HDMIで映像が出ない」問題です。
僕自身、音響・映像・配信の現場を何百回と経験してきましたが、HDMIトラブルはほぼ毎回と言っていいほど遭遇します。
この記事では、現場で映像が出ないときに必ず確認すべきチェックポイントを、実体験を交えながらまとめました。
すぐに原因を特定したい人のための、実用的なチェックリストです。
ケーブルの接触不良・断線
最も多い原因がケーブルの物理的トラブルです。
- 長距離HDMIは抜けやすく不安定
- 細いHDMIは断線リスクが高い
- 延長アダプタ(HDMI-JJ)を使うとさらに不安定
特に20m以上のHDMIは現場だとかなり危険。
できればSDIに変換して長距離を飛ばす方が圧倒的に安定します。
まずは短いケーブルに取り替えて映るかチェックすると切り分けが速いです。
HDMIの向き間違い(光HDMI)
光HDMI(Optical HDMI)は向きが決まっています。
- “Source”“To Source” → こちらをPC・スイッチャー側へ
- “Display”“to the TV” → モニター・プロジェクター側へ
逆に挿すと絶対に映りません。
現場では「向きが逆だった」だけで直ることがかなり多いです。
PC側の出力設定が誤っている
PCの出力解像度・リフレッシュレートが合っていないと映りません。
- 解像度が4K → 会場機材は1080pしか対応していない
- リフレッシュレートが60Hz → 59.94固定の機材でNG
- ミラーリングがオフになっている
- 出力が「PC画面のみ」になっている
特にMacはケーブルやアダプタによって認識が不安定になることが多いので、アダプタを変えるだけで映ることもあります。
おすすめの基本設定は1080p / 59.94Hzです。
スイッチャー(ATEMなど)のフォーマット不一致
最もややこしい原因がスイッチャー側の入力フォーマット不一致です。
昔のATEMは入力フォーマット固定で、
- ATEMが1080i → PCも1080iで出さないと映らない
- ATEMが1080p → PCの1080i出力は映らない
- 29.97 と 30fps の違いでも映らない
という仕様でした。
最近のATEMはマルチフォーマット入力対応になり、1080i / 1080p が混在しても映るようになりました。
とはいえ、現場にはまだ旧型もあることもざらなので、
固定フォーマット機材の方が圧倒的にトラブルが多いのが実情です。
ポイントはこれ:
- 型番を確認(旧型ATEMはフォーマット固定)
- 1080i か 1080p のどちらに統一されているか確認
- PC出力は 1080p / 59.94 に設定しておくと安全
スイッチャーのフォーマットが噛み合っていないだけで映らないケースは非常に多いです。
HDCP(著作権保護)のせいで映らない
企業イベントや学会で増えているのが、HDCPによるブラックアウト。
- PCから著作権保護された映像を再生すると映らない
- スイッチャー側がHDCP非対応で拒否される
- Amazon Prime / Netflix / YouTubeなどで特に発生
HDCPが原因かどうかは、一度デスクトップ画面だけに戻すと判断できます。
企業イベントでは動画ファイルを事前にもらい、ローカル再生に切り替えることが最も安全です。
分配器(スプリッター)の相性問題
安価なHDMIスプリッターは相性問題が非常に多いです。
- 片側だけ映らない
- 音だけ出ない
- 勝手に解像度が変更される
- スイッチャーとPCのEDIDが合わない
映像が落ちてほしくない現場では、
HDMI → SDI変換 → SDI分配 → HDMIレシーバー
のほうが100倍安定します。
モニター・プロジェクター側の設定ミス
意外に多いのが、入力ソースがHDMIに切り替わっていないだけというパターン。
- 入力ソースが「PC」や「Video」になっている
- オート切替がオフで手動切り替えが必要
- 会場スタッフがいつも「HDMI2」を使っているため固定されている
別のHDMIポートに挿し直すだけで映ることも多いです。
HDMIアダプタの相性問題(特にMac)
Macはアダプタとの相性がかなりシビアです。
- HDMI変換アダプタが古い
- USB-Cハブの給電不足
- 安物アダプタで1080pが不安定
映らない時は、別のアダプタに変えるだけで改善することが非常に多いです。
僕自身、現場用に予備のUSB-C → HDMIアダプタを必ず2〜3個持っています。
分配経路が複雑すぎる
企業イベントやホールイベントでは、
PC → 変換器 → 分配器 → 別室 → 収録PC → プロジェクター
のように複雑な配線が組まれることがあります。
この場合、どこか1箇所でもループやEDID不一致があると映りません。
まずは最短距離で直結し、それで映るかどうかで切り分けると早いです。
とにかく「別機材に挿して映るか」で切り分ける
現場で最も早い判断方法がこれです。
- 別モニターに挿して映るか
- 別ケーブルで映るか
- 別アダプタに変えて映るか
- スイッチャーを飛ばして直挿しで映るか
1つずつ順番に検証すれば、必ず原因箇所にたどり着きます。
まとめ:HDMIは「相性」と「設定」で9割決まる
HDMIで映像が出ない原因の多くは、
- ケーブルの物理トラブル
- 向き間違い(光HDMI)
- PCの解像度設定不一致
- スイッチャーのフォーマット不一致
- HDCPによるブロック
- アダプタや分配器の相性問題
など、設定と機材相性で決まることがほとんどです。
この記事のチェックリストを使えば、現場でのトラブルシュートがかなり早くなります。
ぜひあなたの現場でも活用してみてください。



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